雨上がりにキスしよう。

　「葵ー！！お昼食べよー！」


　授業中は生きた屍みたいなのに、お昼になると元気いっぱいだな（笑）


　「今日唐揚げいれてくれたって！」


　「へーいいじゃん」


　「食べる？」


　「ううん、いいよ。ありがと」


　唯衣は食に目がない


　「あっそういえば、数学の時間坂本とまた話してて注意されてたね」


　「あーそうそう」


　「なにはなひてはの（何話してたの）？」


　全部、飲み込んでから喋りなさいよ（笑）


　卵焼きがこんにちはしちゃってるよ（笑）


　「天気とか毒舌とか」


　簡潔にまとめたらこうだよね


　「えっ？！何それ！！」


　そんなに驚くことじゃないと思うけど、


　「毒舌って！失礼極まりない！」


　「そうかな？坂本は正論だよ」


　唯衣は私に厳しい言葉を吐く人にとことん厳しい。

　毎回いい友達を持ったなって思う。


　「あーもう葵は自己採点が低い！」


　いや、単純にみんなの意見に納得してるだけなんだけどな（笑）


　「唯衣が高すぎるだけだよ（笑）」


　「絶対高い方がいいよ！」


　自信満々に断言した。


　唯衣のそういうところは本当に素敵だ。


　「坂本も高いよね」


　「そうなの？」


　「うん。ナルシストだねって言ったらナルシストだった？！って言われた。」


　話したことをまんま伝えた。


　「は？！葵、ナルシストだねって言ったの？！坂本に？！」


　唯衣は目を大きくさせ、眉間に皺を寄せて言ってきた。


　何かまずかっただろうか。


　「そうだけど、、いけなかった？」


　「いや、凄い度胸だなって」


　？

　思ったことを伝えただけである。

　度胸なんてないけど、


　「普通だよ」


　「いやいやだってあの一軍にナルシストだね、なんて言ったらあんたいじめられるかもしれないんだよ？！」


　そう早口で言ってきた。


　「言葉の一つ一つそんな気にしてないよ」