はあ、頭痛いし、授業つまらないし、雨降ってるし!!


 今日はだめだあ…やる気がでん…




〜授業間の休み時間〜


 「おーい!あおいーちょっとこーい」


 …っ?!誰?先生?何かした??


 うわ、クラス中が見てるよ、はあ…


 「何?葵なにかやらかした?」



 そう笑いたいのを堪えながら、心配してる風に聞いてきてるのが、友達の 唯衣(ゆい)。



 「何もやった覚えないけどなあ…」


 「ほっほんとに?」


 「…唯衣、笑い堪えてんの丸わかりだわ。」



 幼稚園からの仲の唯衣。喧嘩はあまりしない。それは言いたいことは言って、素直に認め合ってるからだと思ってる。



 「あ、やっべ(笑)てか、早く怒られてきなよ(笑)先生待たせちゃいけないよっ!」



 明らかにいじってるね、この顔は。



 「面倒くさいよー!唯衣、助けて〜」



 唯衣の腕にわざとらしく、絡みつく。


 早く行けよ、自分。余計怒られるよ…





 「え?俺?橘じゃなくて?」


 「そうだよ、蒼井翔太だよ。」


 「えー!俺なんかしましたっけ?!」



 え…?私じゃないの?あーなんだよかった。

 てか、ちょっとだけ恥ずかしいじゃん!!



 「ちえ〜なんだ、葵じゃなくて蒼井かよ〜ややこしいなあ〜」



 「こら、つまらなそうにするんじゃない。確かに、先生私のこと葵って呼ばないしね(笑)」



 あーびっくりした。ま、そらそうか。


 よく考えたら今の時代男の先生が、女生徒を下の名前で呼んでたらちょっと問題か。


 安堵で胸をそっと撫で下ろす。


 別にやましいことがあった訳じゃないけど。



 「あんた、授業中いっつも外見てるから、そろそろ怒られるのかと思ったよ」



 唯衣が割と真剣な顔で言ってきた。


 「私も怒られるならそこかなって思った。」



 それから2人で顔を合わせて、小さく笑い合った。