「じゃあ間をとってあたしが送る〜」
どよん、とした空気を払ってくれたのは、ニコニコと笑うかわいい海ちゃんの声。
「「はぁ!?」」という、昴くんと雪森くんの声を無視して、
海ちゃんが私の腕を強引に引っ張って走り出した。
「え、う、海ちゃん」
「アイツら昔からあんなだから、
放っておいたら一生続くと思って」
昔から…。
そういえば、ゆきくんとうみちゃんのケンカもあったけど、
ゆきくんと昴くんのケンカもしょっちゅうだった。
当時の昴くんは泣き虫で弱かったから、いつもゆきくんに泣かされてたけど。
「…ところで海ちゃん。
色んなことがありすぎて頭パンクしそうなんですけど…」
うみちゃんとゆきくんが同じ学校だったこと。
雪森くんがゆきくんだったこと。
雪森くんを誘うために私の名前を使ったこと。
昴くんが幼なじみだって知ってて今仲良いのか…
説明してほしい。