昔のことを思い出してたら、海ちゃんが隣にいる雪森くんを指さした。




「え…」



「あたしの兄貴」




え?


おかしいな。



海ちゃんのお兄ちゃんは、天って名前じゃなかった気が…



たしか、




「ゆきくん…じゃなかったっけ?」



「うん、だから、
“雪森”で、千花ちゃんが“ゆきくん”って呼んでたの。
もしかして、それが名前だと思ってた?」




え…そうだったの?



あの、一番馬が合ってた男の子は…




「じゃあ、
雪森くんが、“ゆきくん”なの?」



「そうだよ。
俺が千花ちゃんと一番仲良かった、“ゆきくん”」



「はぁ〜?
一番仲良かったのはあたしですぅ〜。
今だって、同じクラスなのに千花ちゃんだって気付かなかったクセに」



「気付いたわ!
昼休みに話した時、なんとなくそうだろうと思ったし!」



「なんとなく、じゃん?
あたしは確実に気付いてましたけど〜」