「え、私の名前…」



「え、違った?」



「違くない、けど…」




昼休みには、知らなかったよね?



で、昴くんにも名乗るなって言われてたから昴くんから言ったとは思えない…。



……どこで知った?



不思議に思ってる私の耳に、




「あーーーーっ、遅かった!?」




廊下からこちらに向かって叫ぶ女の子の声が聞こえた。



あ、あの子


食堂で会った、ピアスの多い、かわいい声の子だ。



いきなり叫んでどうしたんだろう、と思っていたら、



ツカツカとこちらに歩いてきた。




「ごめん天、マジでごめん」



「え、なに?なにが?」




女の子がパン!と顔の前で手を合わせて雪森くんにごめんと謝ってる。



それに対してわけがわからない様子の雪森くん。


そして私もわけがわからず、雪森くんと同じ顔をしていた。