サラさんは話しているだけでも色っぽくて、食堂の窓から入ってくる風に揺られてサラさんの匂いであろう柔軟剤の香りが鼻をかすめる度に空先輩を横目でチラチラ見ていた。
サラさんが耳掛けをした時にキラッと光るシルバーのピアスにドクンと、苦しくなった。
サラさんと話す空先輩は、私が見たことないような顔をしていてとても幸せそうだった。でも空先輩はやっぱりずるい、ずるいんだ。
どれだけ足を左側に寄せても触れてくる空先輩の足が、本当にずるい。
空先輩の足が触れた自分の足だけに熱を感じる。ゾワゾワと駆け巡るその熱は顔にまで登ってきてる気分だ。
空先輩にとったら些細な事かもしれない、けど私にとったら平然とするのに大変で、少しラッキーだと思ってしまう。
『花もそうだと思うよね?』
聞き返す時だって私の顔近くまで覗き込むんだ。思わせぶり、ばっかり
先輩の足が気になって何も聞いてないよ…というか先輩本当になんとも思ってないんだなっていうのがわかって余計にしんどい。
早くこの場から逃げたい。
だけど空先輩とまだ、少しだけ膝だけだけどくっついていたい…。空先輩を見ると私と全然目が合わなくて私が見ている事すら気付いてない。
そう思うと逃げたいという気持ちが大きくなってオムライスをかきこもうとしたが煇先輩によって止められた。
『行こっか』