そんなやり取りがあってから。

「麗奈……」

「ん?」

急に名前を呼ばれて何だろうと杏里を見る。すると、

「告白成功おめでとう」

と、ニヤリと笑って、彼女は私を祝福してくれた。

「ありがとう」

それに私も笑みで返す。

……そう。私はあの後告白して、OKを貰えたのだ。

高坂は一瞬、何を言われたのか分からない、というような顔でフリーズしてから、「お、俺が言おうとしてたのに……」としょんぼりしていたが。

私は万々歳である。

報われないと思っていた恋が報われたのだ。

本当は飛び上がって喜びたかったが、自重した。

その後、委員会からの帰り道、二人で帰れたのも、本当に嬉しかった。

夢見ていた放課後デート。思ってた三倍は楽しかった。

何気ない会話でも、好きな人とすればこんなにも楽しいのだと、初めて知った。

――こんなことが出来るのも、付き合えたからだ。

そう、奇跡の余韻に浸かりながら。

二人で帰る幸せを嚙みしめていた。