「そうだよ……受け取ってくれると嬉しい」

そう言って、私を見つめる高坂の目。

彼の目が、熱を孕んでいるように見えるのは、私の気のせい?

都合のいい、錯覚?

……それとも。

図書室での会話。結衣先生が私に伝えた落し物の特徴。

――そして、今の彼の態度。

自惚れても、いいのだろうか。

期待してしまっても……いいのだろうか。

「……ありがとう、貰うね」

時間をかけてようやく絞り出せた言葉は、少し上ずっていた。