「もしもし!」
「あ、和樹先生お疲れ様です。
忙しいところすみません 」
「いいよ。叶花のことだろ。樹もいつもと声違うし 」
和樹先生も叶花ちゃんのことが心配だったのかいつもに増して察しがいい。
「はい、さっき叶花ちゃんが病院に来て、呼吸が辛そうだったので検査したら風邪をこじらせて肺炎になってました。すみません 」
「分かったけど、樹が謝ることないだろ。
風邪を放っておいてこじらせたのは叶花が悪いんだから 」
「はい 」
「樹の落ちこむ気持ちもわからなくはないよ。大切な人なら苦しい思いをさせたくないのは当たり前だから。
現に俺だって学会抜け出して叶花のところに飛んでいきたいぐらい心配だし。
でも、叶花は樹のこと頼って病院に来てくれたんだから俺が戻るまで叶花のことよろしくな 」
「はい、ありがとうございます 」
その後、和樹先生は学会が始まるみたいだからすぐに電話は終わらせた。