いつも悪化させる前に病院来てって嫌と言うほど言われていたから、お説教は覚悟していたが、樹先生の顔は思っていたより優しい。
「こんなに熱出て、呼吸も苦しかっただろ? 」
「うん…ヒュー コホン…ゴホッ…… 」
短い返事した途端、咳は出るし、ハアハア肩で呼吸するくらい辛くなってしまう。
数分前まではなんとか喋ることはできたのに…
「この様子だと夜も発作起きて苦しかったでしょ?ひとりで怖かっただろ? 」
コクリとうなずく。
本当に昨日の夜はすごく怖かった。
体も辛かったけど、和樹くんも樹先生もそばにいなくて不安で心が辛かった。
お医者さんの樹先生なんて嫌いなはずなのに心の中では助けを求めていた。