「叶花ちゃん、誰が怖いって? それと呼ばれたら来ないとダメでしょ? 」
「ひぃっ! い…、樹先生! 」
紗希と言い合いをしているうちに樹先生が診察室から待合室に来ていた。
もう逃げる手段は失われた。
「ほら、診察室行くよ 」
私のことをお姫さま抱っこする樹先生。
待合室で他の患者さんも見ているのに恥ずかし過ぎる。
「おろして、小さい子もこっち見てるじゃん! 」
「おろさないよ! それにさっきまで診察室に入らないなんて駄々こねていたんだから他の患者さんも叶花ちゃんのこと小さい子だと思っているから大丈夫だよ 」
「グスン…ひどい!紗希助けてよ 」
「助けないよ。叶花の大好きな樹先生にお姫さま抱っこされているんだからいいじゃん 」