「お父様、お加減はいかがですか?」

その日もナタリアは、朝食を終えてすぐリシュタルトのもとに向かった。

こうして朝から夕食前までリシュタルトに付き添い、看病をしたり所用の手伝いをしたりするのが、このごろのナタリアの日課になっている。

「来たか。おいで、ナタリア」

ナタリアが入ってくるなり、リシュタルトは待ちかねたように彼女を近くに呼び寄せる。

ナタリアは今日、あつらえたばかりの純白のドレスに身を包んでいた。

目を細め、そんなナタリアを幸せそうに見ているリシュタルト。

「俺の娘は、今日も一段とかわいいな」

あの事件以降、リシュタルトの溺愛っぷりは威力を増したように思う。

不器用ゆえ、以前は分かりにくいところがあったが、この頃はド直球でデレてくる。

最近はあまりのあからさまな溺愛ぶりに、ナタリアの方がもじもじと赤くなってしまう始末だった。

しばらくの間満足そうにナタリアを眺めていたリシュタルトだったが、そのうちなぜかムッと機嫌を損ねたような顔になった。

「どうかされましたか?」

「そのドレスはお前に似合っているが、花嫁衣裳を連想させる。気に食わないな」

「………」