ナタリアは、今さらのように異常事態に気づいて身震いする。
(ギルの正体が、リシュタルトの異母弟だったなんて。そして彼が、ダスティンを操っていた黒幕ってこと?)
自分を信じて、とかつて何度もナタリアの心を癒してくれた彼の言葉が耳によみがえる。
敵だらけのこの世界で、彼だけは味方だと思っていた。
正体不明だし謎だらけでも、彼の真摯なまなざしは嘘を言っているようには思えなくて、ナタリアは理屈関係なく、勘だけを頼りに彼を信頼していたのだ。
(でも、それも全部嘘だったってこと? お父様の失脚目的で、私に近づくための……。ああ、そうか。ギルはラストシーンでのみ登場する黒幕だから、モフ番ではそれまで登場しなかったんだ……)
「ギル、あなた……」
世界が、真っ黒に塗られていくような感覚がした。
だが。
「ナタリア様、大丈夫です。私はあなたの味方です」
まるでナタリアの心の葛藤を見抜いているかのように、ギルが言った。
「私を信じてくださいと言ったでしょう?」
「ああ、クライド様! あなたこそ、この国の頂点に立つべき方です。どうかそのお力で、憎きあの男を成敗してください!」
(ギルの正体が、リシュタルトの異母弟だったなんて。そして彼が、ダスティンを操っていた黒幕ってこと?)
自分を信じて、とかつて何度もナタリアの心を癒してくれた彼の言葉が耳によみがえる。
敵だらけのこの世界で、彼だけは味方だと思っていた。
正体不明だし謎だらけでも、彼の真摯なまなざしは嘘を言っているようには思えなくて、ナタリアは理屈関係なく、勘だけを頼りに彼を信頼していたのだ。
(でも、それも全部嘘だったってこと? お父様の失脚目的で、私に近づくための……。ああ、そうか。ギルはラストシーンでのみ登場する黒幕だから、モフ番ではそれまで登場しなかったんだ……)
「ギル、あなた……」
世界が、真っ黒に塗られていくような感覚がした。
だが。
「ナタリア様、大丈夫です。私はあなたの味方です」
まるでナタリアの心の葛藤を見抜いているかのように、ギルが言った。
「私を信じてくださいと言ったでしょう?」
「ああ、クライド様! あなたこそ、この国の頂点に立つべき方です。どうかそのお力で、憎きあの男を成敗してください!」