「実際してねーだろ!そもそもお前が会社にいること自体気持ち悪いんだよ!女は家でメシ作って、ガキ育てて、旦那に足広げてやればそれでいいんだよ!てめえのようにオフィスで偉そうにのさばられたら誰も喜ばないのが当たり前だろう!俺はお前に現実を教えてやっただけだ!」
「はあ…?」
「てめえが大人しく家にいたらこんなことも起きない、このクソビッチ!全部お前のせいだ、お前が悪いんだ!お前が俺を先に挑発したんだ!お前が先に俺を誘惑したんだから俺に罪はない!」
怒りで頭が爆発しそうになる。何か言いたいのに、喉が詰まって出て来ない。べらべらと喋るあの口を何かで縫ってしまいたい。さっきとは又違う種類の震えが体を襲う。
「この、この…ひとでなしめ…!」
思いっきり叩こうとした瞬間、後ろで誰かが彩響の手を止めた。振り向くとそこには寛一さんがいた。
「なに止めてるんですか!」
「彩響さん。こいつがあなたを強姦しようとしたんですか?」
寛一さんが静かに、しかしはっきりした声で質問する。
「それが、それが…」
怒りと興奮ではっきり言えない。息を切らす彩響を見て、寛一さんが再び口を開けた。
「彩響さん、あなたは強い人です。俺はそれをよく知っています。だけど今は違います。こんなときまで、強がらないでください」
握った手に強い力を感じる。彩響はしばらく黙って、深く深呼吸した。寛一さんは急かさず、じっと待ってくれた。
やっと心を落ち着かせて、彩響が寛一さんの目をまっすぐ見つめた。
「…寛一さん、こいつは私の上司です。普段から私にセクハラして、今回は私を騙してレイプしようとしました。なのに私が先に誘惑したんだと言ってます」
「失礼ですが、そちらの方は…旦那様ですか?」
警官の質問に寛一さんがクビを横に振る。
「俺は知人です。今何があったのか俺にはよく分かりませんが、彩響さん素直でとてもいい人です」
「素直でいい人?はっ、マジ笑うぜ!あんた、この女がどれだけ会社で人を無視して偉そうに振舞ってるのか分かってないだろう!」
「会社でのことは知りません。しかし彼女があなたのようなクソオヤジを誘惑したなんて、絶対ありえません」
さり気なく編集長のことをディスる姿に、そこにいた佐藤くんが口を開ける。警官も思わぬ人物の登場に驚いたようで、誰も二人の会話を止めない。顔が真っ赤になった大山が再び叫ぶ。
「はあ?お前、俺を誰だと思ってるんだ?!」
「ただの性犯罪者では?」
「そいつがいつも調子に乗ってんだ、それを俺がちょっと指導してやっただけなのに、どいつもこいつもぎゃーぎゃー言いやがって、全てこいつが悪いんだよ!」
本当にこいつをぶん殴りたい、その一心で再び手を上げるけど、又止められた。寛一さんは彩響の手を握ったまま、大山を睨んだ。
「いいえ、これは全てあなたが悪いです。あなたはただ股間の金玉もきちんとコントロールできない、ただのケダモノだ。人間ですらない」
「はあ?」
フィルタリングを全くかけてない言葉に皆が耳を疑う。一番驚いたのはやはり彩響だった。
(今…「金玉」って言ったの?この寛一さんが?)
「はあ…?」
「てめえが大人しく家にいたらこんなことも起きない、このクソビッチ!全部お前のせいだ、お前が悪いんだ!お前が俺を先に挑発したんだ!お前が先に俺を誘惑したんだから俺に罪はない!」
怒りで頭が爆発しそうになる。何か言いたいのに、喉が詰まって出て来ない。べらべらと喋るあの口を何かで縫ってしまいたい。さっきとは又違う種類の震えが体を襲う。
「この、この…ひとでなしめ…!」
思いっきり叩こうとした瞬間、後ろで誰かが彩響の手を止めた。振り向くとそこには寛一さんがいた。
「なに止めてるんですか!」
「彩響さん。こいつがあなたを強姦しようとしたんですか?」
寛一さんが静かに、しかしはっきりした声で質問する。
「それが、それが…」
怒りと興奮ではっきり言えない。息を切らす彩響を見て、寛一さんが再び口を開けた。
「彩響さん、あなたは強い人です。俺はそれをよく知っています。だけど今は違います。こんなときまで、強がらないでください」
握った手に強い力を感じる。彩響はしばらく黙って、深く深呼吸した。寛一さんは急かさず、じっと待ってくれた。
やっと心を落ち着かせて、彩響が寛一さんの目をまっすぐ見つめた。
「…寛一さん、こいつは私の上司です。普段から私にセクハラして、今回は私を騙してレイプしようとしました。なのに私が先に誘惑したんだと言ってます」
「失礼ですが、そちらの方は…旦那様ですか?」
警官の質問に寛一さんがクビを横に振る。
「俺は知人です。今何があったのか俺にはよく分かりませんが、彩響さん素直でとてもいい人です」
「素直でいい人?はっ、マジ笑うぜ!あんた、この女がどれだけ会社で人を無視して偉そうに振舞ってるのか分かってないだろう!」
「会社でのことは知りません。しかし彼女があなたのようなクソオヤジを誘惑したなんて、絶対ありえません」
さり気なく編集長のことをディスる姿に、そこにいた佐藤くんが口を開ける。警官も思わぬ人物の登場に驚いたようで、誰も二人の会話を止めない。顔が真っ赤になった大山が再び叫ぶ。
「はあ?お前、俺を誰だと思ってるんだ?!」
「ただの性犯罪者では?」
「そいつがいつも調子に乗ってんだ、それを俺がちょっと指導してやっただけなのに、どいつもこいつもぎゃーぎゃー言いやがって、全てこいつが悪いんだよ!」
本当にこいつをぶん殴りたい、その一心で再び手を上げるけど、又止められた。寛一さんは彩響の手を握ったまま、大山を睨んだ。
「いいえ、これは全てあなたが悪いです。あなたはただ股間の金玉もきちんとコントロールできない、ただのケダモノだ。人間ですらない」
「はあ?」
フィルタリングを全くかけてない言葉に皆が耳を疑う。一番驚いたのはやはり彩響だった。
(今…「金玉」って言ったの?この寛一さんが?)