北川さんの熱烈な見送りを受け、二人は再び新幹線に乗った。席に付くと、寛一さんが又カバンからおにぎりと飲み物を出した。それを見ると自然と笑いが出てくる。
「今回は北川さんが用意してくれました」
「そうか、お世話になりましたね。なんかお礼しないと」
北川さんは最後の最後まで彩響が嫁だと信じていて、ここまでよくして貰って否定するのもなんか申し訳なくて、そのままにしておいた。「又いつでも来い!」と言うその姿は本当に孫を思うおじいさんそのものだった。
(いろいろあったな… まあ、でもちょっとはこの家政夫さんのこと知ることができたかも)
「彩響さん」
窓の外をみていた彩響が振り向くと、寛一さんがこっちを見ていた。見慣れているはずなのに、旅行の魔法なのか、なんか彼の顔が特別に見える。
「帰りますか、一緒に」
そう言って、寛一さんが笑った。これは、あれだ。パンティーに触れてもいいと許可を出したとき見せてくれた、あの大きい微笑み。洗濯のこと以外でもこんなに笑える人だったとは、今までは全く知らなかった。
(やばい、すごい嬉しい…)
最初の日、お互い名前を呼ぼうと提案したときのことを思い出す。あの時はなんだか照れくさくて、素直に認めることができなかった。しかし今は違う、本当に嬉しい。認めるか認めないか、そのレベルをもうとっくに超えていた。
「…うん、帰りましょう、お家へ」
そう言って、二人はお互いを見て笑った。今窓の外から入ってくる日差しのような、とても温かい微笑みだった。
「今回は北川さんが用意してくれました」
「そうか、お世話になりましたね。なんかお礼しないと」
北川さんは最後の最後まで彩響が嫁だと信じていて、ここまでよくして貰って否定するのもなんか申し訳なくて、そのままにしておいた。「又いつでも来い!」と言うその姿は本当に孫を思うおじいさんそのものだった。
(いろいろあったな… まあ、でもちょっとはこの家政夫さんのこと知ることができたかも)
「彩響さん」
窓の外をみていた彩響が振り向くと、寛一さんがこっちを見ていた。見慣れているはずなのに、旅行の魔法なのか、なんか彼の顔が特別に見える。
「帰りますか、一緒に」
そう言って、寛一さんが笑った。これは、あれだ。パンティーに触れてもいいと許可を出したとき見せてくれた、あの大きい微笑み。洗濯のこと以外でもこんなに笑える人だったとは、今までは全く知らなかった。
(やばい、すごい嬉しい…)
最初の日、お互い名前を呼ぼうと提案したときのことを思い出す。あの時はなんだか照れくさくて、素直に認めることができなかった。しかし今は違う、本当に嬉しい。認めるか認めないか、そのレベルをもうとっくに超えていた。
「…うん、帰りましょう、お家へ」
そう言って、二人はお互いを見て笑った。今窓の外から入ってくる日差しのような、とても温かい微笑みだった。