「それは仕事だからであって、直接着ているは見た事はありません」

「いちいちうるせーな。熱いんだっつーの!」


もう誰も彩響を止めることはできない。シャツのボタンを全部開け、さっさと投げ出そうとした瞬間、寛一さんが襟を両手で握った。


「おやめください、これ以上脱いだら俺、本当にどうすればいいのか分かりません」


こんなに必死な寛一さんを見るのが楽しくて、彩響がへらへら笑った。


「なんだ~そんな照れちゃって~この洗濯変態野郎!」

「せ、洗濯変態?」

「きゃ~~!誰か~!ここに変態がいます!ブラとパンティ大好き変態がいます!」


テンションが上がってもう自分が何を言っているのかも分からない。口から出るまま、思いっきり自分が普段どっかにためておいた言葉を爆発させる。マシンガンのように出てくる言葉に寛一さんが口をあんぐり開けた。


「全く、いつも一匹狼のように涼しい顔して!こんな若い女子と一つ屋根の下で生活しているんだよ?どうしていつもいつもそんなクールにいられるの??意識するの私だけなんてずるいよ!」

「それは、その、彩響さんはお客様ですので…」

「そうだよね、あなたが興味持つのって洗濯だけだよね、この変態!皆さん、ここに変態がいます、きゃー助け…!」


彩響の叫びは最後まで出せなかった。寛一さんがいつの間にか自分の口を手で封じてしまったのだ。うう~!と声を出すと寛一さんが困った顔で喋る。


「静かにしてください!近所迷惑です!」

「うううう~!」


暴れてその手から逃げ出すと、彩響はにやにや笑った。この家政夫さんを慌てさせることがこんなにも楽しいこととは。