「そうだね、今日はたまたま別の用件で来ているけど、ハニーにも用事はあったよ」

「私に？」

「以前うちから送ったアンケートメールは届いたかね？現在雇っている『入居家政夫』についての満足度を聞くものなんだが」


その言葉に慌ててメールの受信ボックスを確認する。確かに、一週間前くらいに届いたメールがあった。彩響は申し訳ない気持ちで謝った。


「ごめんなさい、見落としてしまったようです。今日早速やりますので…」

「あ、それはゆっくりでも構わないよ。…どうかね、我がエースは。ハニーの希望通りの仕事をやってくれているのかな？」

「それは、もちろんです。とても助かっています。むしろ、おかげさまで私の生活がとても豊かになりました。もっと早く雇えば良かったと思うくらいです」


これは素直な感想で、本当に寛一さんには大変お世話になっていた。彩響の話にＭｒ．Ｐｉｎｋはとても満足したような顔で笑った。


「それはとても良いお知らせだね。なら、その点も重ねてハニーに相談があるのだが…」

「はい、なんでしょう？」

「我が社は少し変わった会社であることは間違いないが、所属されている青年たちは全員正社員であり、もちろん福利厚生の部分も気を遣っている。なので、ハニーの家にいる彼にも有給を使って欲しくてね」


なんだ、相談というのは結局有給のことだったのか。彩響は早速うなずいた。


「問題ありません。本人の好きな時間で、そちらの会社のルールに従って有給を使うよう伝えてください」

「そう言ってくれて本当にありがたいよ。だが実は私からはもう言ってあるのさ、三和くんに。しかし彼は有給を使わないと言っている」


「え…」