写真にはウェディングドレスを着ている自分と、元婚約者が写っていた。これは同居を始める前、代々木公園で前撮りをしたときのものだった。当日は天気も良くて、公園にいる人たちもみんな「おめでとう」と声かけてくれて…認めたくはないけど、この日はとても幸せだった。武宏もこのときは綺麗な自分の姿をずっと褒めてくれた。
あいつが言っていた「女子らしさ」には、こんな風に完璧に化粧して、綺麗でかわいい服をいつも着るのもきっと含まれているのだろう。自分だっていつもスーツ姿で家にいるわけでもないくせに。
「もう私の人生、こんなドレス着る機会あるのかね…で、あれ?…このドレス、どこにしまったんだっけ?」
ふと思い出して押入れの中を確認するけど、どこにもドレスが入ってそうな袋も箱も見当たらない。別の場所を探そうとして立ち上がった瞬間、彩響はびっくりしてうわっと声を出してしまった。すぐ目の前に寛一さんが立っていたからだった。
「び、びっくりさせないでください!」
「あ、失礼。何度も声をかけたのですが…」
謝る寛一さんの目線が写真に届くのが感じられた。じっと見つめられるのがなんだか恥ずかしくなり、彩響は気まずい笑いを見せた。
「あ、これはたまたま残っていたもので。は、はは…」
「…!あ…ごめんなさい。つい見つめてしまいました。…俺はこれから夕飯の支度をします」
「あ、ちょっと待って、寛一さん!」
部屋を出ようとする寛一さんを彩響が止めた。寛一ささんがこっちを振り向く。
「はい、何でしょう」
「あの、それが…」
本当に「男は所詮全部一緒」なのか、試したくなった。彩響は少し考えて、質問した。
あいつが言っていた「女子らしさ」には、こんな風に完璧に化粧して、綺麗でかわいい服をいつも着るのもきっと含まれているのだろう。自分だっていつもスーツ姿で家にいるわけでもないくせに。
「もう私の人生、こんなドレス着る機会あるのかね…で、あれ?…このドレス、どこにしまったんだっけ?」
ふと思い出して押入れの中を確認するけど、どこにもドレスが入ってそうな袋も箱も見当たらない。別の場所を探そうとして立ち上がった瞬間、彩響はびっくりしてうわっと声を出してしまった。すぐ目の前に寛一さんが立っていたからだった。
「び、びっくりさせないでください!」
「あ、失礼。何度も声をかけたのですが…」
謝る寛一さんの目線が写真に届くのが感じられた。じっと見つめられるのがなんだか恥ずかしくなり、彩響は気まずい笑いを見せた。
「あ、これはたまたま残っていたもので。は、はは…」
「…!あ…ごめんなさい。つい見つめてしまいました。…俺はこれから夕飯の支度をします」
「あ、ちょっと待って、寛一さん!」
部屋を出ようとする寛一さんを彩響が止めた。寛一ささんがこっちを振り向く。
「はい、何でしょう」
「あの、それが…」
本当に「男は所詮全部一緒」なのか、試したくなった。彩響は少し考えて、質問した。