――「理央!」
社長室から出てくる理央を見て、彩響が走って行く。理央はスッキリした顔で彩響に手を振った。
「あ、彩響。私もう今月で終わりだから。今社長とお話終わったところ」
「やめちゃうの?本当に??」
「良いよ、どうせここは女を人間扱いしないよ。あなたも迷わず辞めたほうが良いよ、結局あれこれ理由付けられて、辞めさせられることになるんだろうから」
理央はそう言って、そのまま帰ってしまった。一人残された彩響がそのまま社長室に入ろうとドアノブに触れた瞬間、中から社長の声が聞こえた。
「これで女社員全部辞めたか?あ、さっきのやつの同期がもうひとり残っていたか」
「まさか、ここまで来たらやめるでしょう。社内に女一人ですよ?」
その「同期」というのは自分のことだ。彩響は息を殺して彼らの話に集中した。
「…ったく、俺、職場で女があれこれ言うの嫌いなんだよ。やつらどうせちょっと仕事すると結婚するとか言い出して、その後は妊娠して『産休育休くれー』とか言ってくるんだぞ?だったら最初から家で主婦すればいいのに。さっき退職面談したやつは何、デキ婚するんだって?恥も知らずによくあれこれやってくれるよ」
「全くです、家でご飯作って子供育てるだけで十分なはずなのに。最近の女は余計に学歴だけ高くなって偉そうに振る舞うんですよね。困りますよ、ブスたちが目だけ高くなって」
それ以上はもう耐えられなくて、彩響はトイレへ逃げた。涙が出るのかと思ったら、反吐が出た。便器に胃袋のものを全部吐くと、むしろ頭が冴えるのを感じだ。
社長室から出てくる理央を見て、彩響が走って行く。理央はスッキリした顔で彩響に手を振った。
「あ、彩響。私もう今月で終わりだから。今社長とお話終わったところ」
「やめちゃうの?本当に??」
「良いよ、どうせここは女を人間扱いしないよ。あなたも迷わず辞めたほうが良いよ、結局あれこれ理由付けられて、辞めさせられることになるんだろうから」
理央はそう言って、そのまま帰ってしまった。一人残された彩響がそのまま社長室に入ろうとドアノブに触れた瞬間、中から社長の声が聞こえた。
「これで女社員全部辞めたか?あ、さっきのやつの同期がもうひとり残っていたか」
「まさか、ここまで来たらやめるでしょう。社内に女一人ですよ?」
その「同期」というのは自分のことだ。彩響は息を殺して彼らの話に集中した。
「…ったく、俺、職場で女があれこれ言うの嫌いなんだよ。やつらどうせちょっと仕事すると結婚するとか言い出して、その後は妊娠して『産休育休くれー』とか言ってくるんだぞ?だったら最初から家で主婦すればいいのに。さっき退職面談したやつは何、デキ婚するんだって?恥も知らずによくあれこれやってくれるよ」
「全くです、家でご飯作って子供育てるだけで十分なはずなのに。最近の女は余計に学歴だけ高くなって偉そうに振る舞うんですよね。困りますよ、ブスたちが目だけ高くなって」
それ以上はもう耐えられなくて、彩響はトイレへ逃げた。涙が出るのかと思ったら、反吐が出た。便器に胃袋のものを全部吐くと、むしろ頭が冴えるのを感じだ。