「おい、峯野」
振り向くとすぐ隣に大山編集長が立っている。パーティでの出来事以来、なるべく関わらないよう注意していたが…直接来ると避ける余地もない。
「何でしょう、編集長」
「お前、本木先生からメール貰ったらしいな。褒めてやるぞ」
「いいえ、恐縮です」
「まあ、お前が有能なのは知ってるさ。だから俺も向こうに言ってあげたぞ。『うちの峯野はとても優秀です』、ってな」
「…!」
肩を叩いていた手がさらっと胸に下りてきた。びっくりして顔を上げると、編集長は何もなかったように手を引く。気持ち悪い微笑を見せると、彼が皆に言った。
「皆の衆、今月もよろしく頼んだぞ!又いい実績出すこと期待しているからな。…な、峯野?」
気持ち悪い感触がうなじに触れ、すぐに離れた。編集長はそのまま自分の席へ戻ってしまった。彩響は目を閉じ、深呼吸をする。ブルブルと震える体を落ち着かせるには時間が必要だった。
「…主任??大丈夫ですか?顔色悪いっすよ」
何も気付いていない佐藤くんが心配そうに聞く。何回か深く息を吸って、彩響が顔を上げた。
「なんでもないよ。仕事しましょう」
振り向くとすぐ隣に大山編集長が立っている。パーティでの出来事以来、なるべく関わらないよう注意していたが…直接来ると避ける余地もない。
「何でしょう、編集長」
「お前、本木先生からメール貰ったらしいな。褒めてやるぞ」
「いいえ、恐縮です」
「まあ、お前が有能なのは知ってるさ。だから俺も向こうに言ってあげたぞ。『うちの峯野はとても優秀です』、ってな」
「…!」
肩を叩いていた手がさらっと胸に下りてきた。びっくりして顔を上げると、編集長は何もなかったように手を引く。気持ち悪い微笑を見せると、彼が皆に言った。
「皆の衆、今月もよろしく頼んだぞ!又いい実績出すこと期待しているからな。…な、峯野?」
気持ち悪い感触がうなじに触れ、すぐに離れた。編集長はそのまま自分の席へ戻ってしまった。彩響は目を閉じ、深呼吸をする。ブルブルと震える体を落ち着かせるには時間が必要だった。
「…主任??大丈夫ですか?顔色悪いっすよ」
何も気付いていない佐藤くんが心配そうに聞く。何回か深く息を吸って、彩響が顔を上げた。
「なんでもないよ。仕事しましょう」