いきなり職場を襲撃した男3人と、それに抵抗している家政夫三和寛一(32、男性、おそらく独身)。そしてその現場に現れた雇用主峯野彩響(30、女性、独身)。雇用主が来る前に何とかして男たちを帰したかった雇われ主がため息をつく。


「申し訳ございません…さっさと帰らせようとしましたが…」

「なあ、彩響。こいつ頭固いからさ。お前が入れさせてくれよ。雇用主が許可出せばお前もオッケーだろ?」

「それは…」


寛一さんがこっちを見る。その視線に、彩響が答えた。


「遠慮しないで、友達くらい自由に呼んでもいいですよ?」

「いや、しかし…」

「ここは職場ですけど、プライベートでは寛一さんの家でもありますから」

「いや、お待ちください。そもそもこいつらは俺の友達ではありません。ただの職場の同期です。そのようなご配慮は必要ありません」

「うわ、さり気なく冷たいこと言うね…そんなこと言わないで、せっかく寛一さんのこと心配して来てくれたんだから、お茶でも出してあげれば良いじゃないですか。私、そんな頭の固い雇用主じゃないですよ」

予想外の言葉だったのか、寛一さんの目が丸くなる。それを見た河原塚さんが寛一さんの肩をパンパン叩いた。


「で、これでOKだよな?早速お邪魔するぞー!」

「やったー!あ、彩響ちゃんこれ差し入れね。早速お邪魔します~」