「さっき部屋でため息ついてるのが見えて。なんか心配ごとでもあったんすか？もしかして…彼氏に「俺と仕事、どっちが大事？」とか聞かれたりして…！」

「はい佐藤くん、妄想はそこまで。なんでも無いよ。ちょっと疲れていただけだから」


妄想で暴走する部下を一旦止めたものの、実は彩響のため息の原因は別にあった。そう、この悩みの種は…

（私は、なぜ、男の家政夫なんかを雇ってしまったのか…）


そう、悩みの原因はあの人。今家で家事をしてくれている、例の「下着執着変態家政夫」のことだった。



男の家政夫を雇い、３日が経った日。

彩響は眠気と必死で戦いながら、朝のコーヒーを飲んでいた。寛一さんはとても爽やかな顔であっちこっち動き回る。どうやら今日は彩響の洋服をまとめて洗濯しようとしているらしい…が、ちょっと待ってー！彩響は飲んでいたコーヒーを慌ててテーブルの上に置き、浴室へ飛び込んだ。驚いた様子の寛一さんがこっちを見る。


「どうかなさいましたか、彩響さん」

「そ、そ、それは…」


彼が両手いっぱい持っていたのは…そう、それは彩響のパンティーたち（しかも使用済み）だった。これだけは別に自分で洗おうと思ってまとめておいたのに、いつの間に？驚愕している彩響の顔を見て、寛一さんが再び質問した。


「これから洗濯をする予定ですが…なにか問題でも？」

「問題大有りよ！さ、最初に言ったでしょう、下着は自分でちゃんと洗いますって！なに勝手にいじってるの？」


顔が真っ赤になり言葉が出て来ない。しかし寛一さんはますます彩響の言葉が理解できない様子だ。しばらく黙って、真剣に彼が言う。