「ねぇ、それはこっちの台詞なんだけど」



と睨みつける。



「何?お前また残業?どんだけ仕事できねーんだよ」


「!!…ほっといてよ」



スマホに再び視線を落とし、ここは苛立ちを落ち着かせる。


ーーー柳田治


彼も一応同期……ではあるけど犬猿の仲。


琴音と柳田とわたしの3人は同期仲間で、入社仕立ての頃はよく飲みに行って、慣れない仕事と人間の愚痴を言い合っていた。


琴音とは今でもたまに飲みに行くけど、柳田とはすっかりそういうのはなくなった。


働く部署が離れたのもそのひとつの原因かもしれないけど、一番はわたしが彼を嫌っているからだと思う。