こんなわがまま言うつもりないはずなのに…。



「ごめん、俺まだ帰れないから…」



そう言った葵くんはすごく申し訳なさそう。



「…葵くんのバカ。もう嫌い」



止まりかけていた涙が再び溢れる。


あー、こんなの情けない。ごめんね、葵くん…。



「先に帰ってて?できるだけ早く帰るから」


「帰らない。今日は柳田の家に泊まるっ」


「「は?」」




ちょうどなタイミングで戻ってきた柳田と葵くんの声が重なる。



「柳田の家に泊まる。いいでしょ?」



と柳田に視線を移す。