その声に顔を上げると葵くんが心配そうに立っていた。


七瀬先輩…だって。胡桃じゃないんだね?



「こいつ酒弱いんだよな〜」



と柳田の手がわたしの頭に触れる。



「へー。じゃそろそろ帰してあげたほうがいいんじゃないんですか?」



葵くんはすっかり他人行儀だ。



「まだ帰らない。全然酔ってないし」



そんな葵くんを睨みつける。



「俺ちょっとタクシー呼んでもらうわ。悪いけど胡桃のこと見ててやって」



柳田はそう言うと立ち上がり会計を済ませに行ったようだ。