ーーー18時半…


ふと時計に目をやると退社時刻を30分過ぎていた。



「終わった?」



隣から顔を覗かせる琴音に笑顔で頷く。



「30分残業になったけど、まあいいでしょう。毎回締め切りギリギリに攻めるのやめたら?苦労するの自分でしょ?」



琴音は肩を回しながらため息を吐いた。



「ああ〜もう疲れた。帰ろう?周りほとんど帰ってるよ」



と言われて気づく。


わたしと琴音以外に2.3人残っているだけだということに。


見れば窓の外も薄暗い。



「琴音ありがとね」



ぶっちゃけ琴音はわたしに付き合ってくれていただけで、てきぱきと仕事をこなし、優秀な彼女は残業なんて滅多にしない。



「わたしに彼氏ができたら、もう胡桃の残業には付き合ってあげれないからね」