「じゃ、お言葉に甘えてお先に」



なんてことを言いながら重い腰をあげると、待ったをかけられた。



「早くあがんないと待ち切れずに入ってくるかも」



そう言った葵くんの表情は意地悪。


……うん、早くあがろう!


その顔にそんなことを思ったのもほんの一瞬のこと。

 
湯船に浸かるとやっぱり長風呂したくなる。


湯船に浸かりながら考えることはほぼ葵くんのこと。


それから仕事のこともほんの少しだけ考えたりもするけど、やっぱり頭の中の大半を占めるのは葵くんだ。


そんな葵くんは2個下の後輩にあたる。


そして、わたしより確実に仕事ができ、………モテる。