「外に出る?それともなんか出前取る?」



テレビのリモコンをいじっている葵くんに尋ねる。



「胡桃先輩は出前派でしょ?出前でいいよ」



とよくわたしを分かっていらっしゃる。


一度帰宅して出るというのは非常にめんどくさい。


これが25歳女の現実…?いや、わたしだけの現実。


それからはお互い好きな物を注文し、それが届くまで他愛のない会話をした。


それから空になった容器を片付けていると、後ろからギュッと抱きしめられた。