EP.4

 春斗とは幼馴染。

 生まれた病院も同じ。
 それから幼稚園、小学校、中学校となにからなにまで一緒に過ごしてきた。

 誕生日は一日違いの11月生まれ。

 家は近所だけど、少しだけ離れている。

  

 
 一緒にいすぎたせいで、好きっていう感情は芽生えない。
 



 なんて、そんなことはなかった。



 このままずっと、ずっとずっと、一緒にいたいって思う気持ちが、
 時間を一緒に過ごせば過ごすだけ、強くなっていった。



 春斗も思っているかはわからないけど、私はそう思ってる。



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 「やばい。沙紀やばい。九時過ぎてる。」

 一時間目なんだっけ。

 「一時間目たしか数学だったよな!みっちーじゃん!やばいって!
  次、遅刻したら補修してやるって脅されてんだから!!」

 「はやくいこ!!」

 そんなこと私は言われてない。

 「それ、春斗だけじゃない?私、学年トップなんで!!」

 「え。沙紀補修やるって言われてないの?」

 「全く聞いてないけど。」

 「おい。じゃあ俺だけ?俺だけタイマンでみっちーとやんの?」

 「春斗は頭使うの下手だからねー。前世なんなんだろうね。」

 「そんな話良いから、早くいこっ。」

 春斗は本当に焦ってる顔をしていた。
 そんなに補修やるの嫌なのかな?
 お願いされれば、私も…一緒に受けてあげるのに…

 「あれ、二人ともまだいたの?早くいってきな。」

 遅刻を堂々と見過ごす親も親だなって思う部分も多少あるけど、教育は人それぞれだからよしとする。

 「はーい。じゃ、行ってくるねー。」

 「ごはんごちそうさまでした!!美味しかったです!!」

 「はーい。行ってらっしゃい。」


 私たちはやっと、学校へ向かった。