「なんだよ、帰ってきたのかよ」
こたつで眠っていた俺の足に誰かの足が当たってそう呟いた。
えらく長い間出掛けていた母親が、戻ってきたんだろう。
そう思っていると玄関が開く音がして母親が帰ってきた。
手には買い物袋を持っている。
「ただいま」
「え?」
「えってなによ、えって」
「いや、ちょっと待って」
俺の足に触れている足がモゾモゾと動いている。
上半身を起こしてこたつの反対を見てみるけれど、誰もいない。
ゾクッと背筋が寒くなり、思いきってこたつの布団をあげてみた。
俺の足元にあったのは誰かの足ではなく、飼い猫のシロだった。
安堵してこたつの布団を戻したとき、さっきまで立っていた母親が消え、持っていた買い物袋がこたつの上に置かれていた。
部屋のすみには小さな仏壇があり、母親の微笑んだ写真が飾られている。
END
こたつで眠っていた俺の足に誰かの足が当たってそう呟いた。
えらく長い間出掛けていた母親が、戻ってきたんだろう。
そう思っていると玄関が開く音がして母親が帰ってきた。
手には買い物袋を持っている。
「ただいま」
「え?」
「えってなによ、えって」
「いや、ちょっと待って」
俺の足に触れている足がモゾモゾと動いている。
上半身を起こしてこたつの反対を見てみるけれど、誰もいない。
ゾクッと背筋が寒くなり、思いきってこたつの布団をあげてみた。
俺の足元にあったのは誰かの足ではなく、飼い猫のシロだった。
安堵してこたつの布団を戻したとき、さっきまで立っていた母親が消え、持っていた買い物袋がこたつの上に置かれていた。
部屋のすみには小さな仏壇があり、母親の微笑んだ写真が飾られている。
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