「つーか、またカレーかよ」


鍋を温める事によって、
部屋に充満するカレーの匂い。


今夜は喧嘩したくないと思っていたけど、
今の篤さんの言葉、けっこうカチンと来た。



「嫌なら、食べなくていいよ」


そう王道の台詞を言い返してしまう。


「じゃあ、食わねぇ」


そう言い返して来る感じ。


やっぱり、篤さんは苛立っている。



「あのさ、篤さんがカレー好きだから今日もカレーにしたのに」


なんだか、腹立つよりも悲しくなって来る。


「あ?
お前すぐそうやって言い返して来るよな?
マジうぜぇ」


そうやって大した意味もなく喧嘩を売って来る感じ。



「とりあえず、お前さっさと寝ろよ。
明日朝一にお前の元彼の所に行くんだろうが」


やっぱり、それに苛立っているのか。



「そうやって嫉妬するくらいなら、
私のあの企画オッケーしなければ良かったじゃない?」


私だって、こうやって喧嘩になるくらいなら、ボツで良かった。


「別に嫉妬なんかしてねぇし!
それに、お前のあの企画はいいと思ったからオッケーしたんだ。
んな理由で、辞めておこうとか言えるかよ」


やっぱり、嫉妬してんだ。