夜、篤さんが帰宅したのは22時。


篤さんは夕方から、美少女アイドル戦士シリーズの化粧品の冬コレクションの為。


提携している化粧品会社に打ち合わせで出て行った。


私は先に帰宅し、いつものように晩御飯の用意をする。


なんとなく、私のあの企画の事で今夜は篤さんと喧嘩になるんじゃないかって予感。


多分、仕事とはいえ、私が元彼にそうやって関わる事に、篤さんはいい気はしないというか、妬くだろう。


明日は今日出来上がったその企画書を持って、近藤龍馬の元へと訪れる予定になっている。


だから、私達がそんな事で喧嘩をしたまま、その企画の事で近藤龍馬に会いに行きたくない。

だから、今夜はなんとしても篤さんとの喧嘩を回避しよう!


篤さんは帰って来ると、
そのままリビングへと来た。


「お前、飯食ったか?」


「あ、うん」


今日は遅くなるから、先に食べていろと篤さんに言われていたので。

食事もお風呂も、さっさと済ませている。


私はソファーから立ち上がり、キッチンへと行く。


篤さんの分のご飯の用意をする為。


「腹減った。
シャワー浴びる前に先飯食う」


篤さんはスーツの上着とネクタイを外して、
それを床に投げ捨てると、ダイニングテーブルの椅子に座った。


お腹が空いてるだけではなく、
けっこう疲れてるんだろうな、ってその感じで思う。


けど、機嫌は悪くないのかな?


近藤龍馬の事でまた篤さんは妬いたりするかと構えていたけど、
私の取り越し苦労だったのかも。