「それより、川邊部長とはどうなの?
私もそれは気になる」


「どうとは?」


特に篤さんと私の関係に変化はない。


週に一度くらいのペースで喧嘩をして、
その後、仲直りをすると、同じベッドでキスをしながら眠るっていうのが、
ルーティーンになっている。


今日から、同じ部署になり篤さんと過ごす時間が増え、
もしかしたら、何か変化があるのかもしれないけど。


「ほら?だって川邊部長とは初めの一回しかヤッてないんでしょ?
妊娠中って、そんなに出来ないの?」


ミヤコのいうその出来ないは、
エッチが、という意味だろう。



「安定期だし、お腹の張りに気を付けたら、出来ない事もないけど。
けど、篤さんは出来ないって」


何度かそうやって同じベッドで眠りそんな雰囲気になった時に、
その度にそんな感じの事を言っていた。


「万が一、があったらどうすんだ?」


そう言われると、私もその万が一が怖くなる。


「まぁ、川邊部長大きいらしいから、
危険かもしれないよね」


ミヤコのその言葉に、


「なんでそれを?」


と、驚く。


「誰かがトイレで横に並んだ時に、チラッと見たって」


そう聞いて、安心した。


私が知らないだけで、私以外にも社内で篤さんと関係を持った女性が居るのかと、不安になってしまった。


にしても、そんな事迄噂されて、ちょっと篤さんが気の毒。


「だから、梢をそうやってすぐ妊娠させたんだろう、ってのも聞いた」


「妊娠のしやすさに、大きさ関係あるの?
ないでしょ」


けど、すぐもすぐの、一発目だから、
もしかしたら、と大きさと妊娠の因果を考えてしまう。