「けど、川邊部長奥さんを同じ部署に呼ぶってねぇ。
どんだけ束縛激しいんですか」


そうからかうように、平井さんが口にしている。


「公私混同?ってやつでしょ?
仕事場でも今みたいにイチャイチャしたいんだよ」


篠宮君も乗っかるように、そう口にしてる。


「あれですよね?
部長が、川邊さんの事をこの部署に呼んだのはきっと…」


その岡田さんの言葉を遮るように、


「うるせぇ。
別になんだっていいだろ?
なんとなく梢の事を、この部署に呼んだんだ!」


篤さんは、そう言う。


私がこの部署に移動になった理由というか、
篤さんが私をこの部署に来させた理由は、知っている。


先週の水曜日辞令が出て、
週明けの今日からここに来たけど。


その辞令に、篤さんが絡んでいると思い。

辞令が出た日の夜に、直接本人に訊いた。


「え、ああ。
お前、企画系の仕事が前にしたいって言ってただろう?」


そう言っていて。


それも、本当なのだと思うけど。


ただ、企画系の部署や課は他にもあるのに、何故この篤さんの居る部署なのか。


その理由は。