車を走らせること数時間。 都内から案外早く着くことができる海を見て、思わず心が踊る。 着いた途端、車から降りて、海まで走り出した。 目の前に広がる、海。 「わ……っ!すごい! 迅、見て!海だよ、海っ! 初めて見た……!」 「嘘、マジで?」 「うん、一度も来たことなくて……見てみたかったんだ、海」 「……そっか」 はしゃぐ君を横目に、俺は車に積んであるギターを取り出した。