教室を出て数歩歩いたところで
あたしは小さくため息をつく。
あたしたちの教室は生徒棟の3階で
被服室は管理棟の4階。
つまり、遠い。
しかも大量の布を持っての移動なわけで…
正直嫌になる。
それにしても。
自分の顔が映る窓を見て、思う。
最近本当に愛想笑いが増えた。
心からの笑顔なんて…
もう何日してないんだろう。
もう一度小さくため息をついてから
あたしは再び歩みだした。
「…最悪」
被服室についたあたしを待っていたのは
鍵の掛かった扉。
すなわちそれは
今から職員室にいって
鍵を取りにいかなければならないということ。
…職員室には
出来ることなら行きたくないのに。
今日は先生も来ると言っていた。
さっき教室にいなかったから…
きっと職員室にいるはず。
「逢いたくないなぁ…」
思わず、泣きそうな声が出た。
今先生に会うことは
あたしにとって苦痛でしかないから。