「先生?」
少し上にある先生の顔を見上げ
小さな声で先生を呼んだ。
「ん?」
そう言いながら首を傾げた先生は
なんだか少し可愛くて
思わずクスりと笑ったあたしに
「は?何だよ?」
先生は自分が馬鹿にされてるとでも思ったのか
ちょっとだけ拗ねたよう。
「…ありがとうございます」
思ってた以上に
小さな声になってしまった。
だけど先生にはちゃんと届いたらしく
「…何が?」
先生はキョトンとした顔になった。
「何が…って、全部です。
先生がしてくれてること全部。
ほんとに嬉しいんです。」
あたしの言葉が想定外だったのか
先生は目を見開くと固まった。
「今、こうして時間作ってくれてることもだけど
可愛いって言葉使ってくれたり
頭撫でてくれたり。
そんなこと言われたことも
されたこともないから
素直に嬉しいです」