涙で潤んだ視界に映る母は
よく見えないけど、笑っていることだけはわかる。
止まらない涙は
いろんな想いが絡まり合って
何がなんだか分からない証。
どうして?
どうしてあたしなんかに
みんな、みんな、
こんなに優しいの??
特別、何かをしてきたわけでも
特別、良い子なわけでもないあたし。
何気ない日々の中で
何気ない日々を過ごすあたしが
こんなに人に大事にされる価値なんて
あるのだろうか。
「なにかあったら
これからは絶対いってね?
えりかが辛い思いをすることほど
あたしにとって辛いことはないから」
母の微笑みを
温かいと思った。
愛情って
こういうことなんだろう。
そんなことを
思わずにはいられなかった。