この想いを誰かが認めてくれることが
こんなに温かいことだったなんて
思いもしなかった。
”先生を好きになる”
そんなことは
軽蔑されてしまうんじゃないかって思ってて。
もし、受け入れてもらえたとしても
本気だと思われない気がして。
どちらにせよ
臆病なあたしの心は
このキモチを誰かに打ち明けることを
ずっとずっと拒んで来たから
余計に、嬉しかったのかもしれない。
「全部、覚悟してるつもりだから」
沙来に向かって、あたしは満面の笑みを向ける。
そんなあたしに
沙来も満面の笑みを返してくれた。
「ちょっと、そこの2人!
準備遅いよ―?!」
あたしたちは
ずいぶんと話し込んでしまったらしい。
ふと、他の女の子の声が聞こえて辺りを見渡せば
もうほとんどの子が準備を終えていた。
「やばっ!
えりか、急ぐよ!!」
そんな状況に
沙来は大慌てであたしの髪を弄りだす。
あたしは沙来のされるがままで
自分がどうなってしまうかなんて
想像出来なかった。