強いて言うならば…
「いつの間にか、好きだった」
ぽつりと零れた言葉に
沙来はキョトンとしたあと
「かわいい〜!!!」
がばっとあたしに抱き着いてきた。
「か、かわいくなんか…っ」
沙来の腕のなかで必死の抵抗をするものの
彼女はぎゅうっとさらに強く抱きしめてきて。
そしていきなり離れたかと思いきや
「えりかににとって高田は
運命の人だったんだね」
なんて、よくわからないことを言う。
なんで、運命?
そう思って首を傾げると
沙来はクスりと笑って
口を開いた。
「よくさ、
出会った瞬間に運命感じました!
とか言う人、いるじゃん?
あたし、あれ信じないんだ
だって、出会った瞬間なんて
知ってるのは相手のルックスだけでしょ?
なのに運命とか意味わかんない
本当の運命って
相手のことを知っていく度に
相手を好きになっていってしまうことだと思う
だって、それって
”好きになる運命”
だったからじゃない?」