あれから数日が経って
ついに、体育祭当日。
体育祭――
それは、うちの学校のメインイベント。
じっくりと準備をしてやるから
それなりに気合いが入るのもあるが
何よりみんなが楽しみにしている理由がある。
それは
とにかく規則の厳しい学校だけど
体育祭は『衣装』ということで
どんな格好をしても許されること。
もちろん、運動が出来る範囲でっていう
最低限のきまりはあるけれど
いつもルールに縛られて
オシャレを出来ない女の子たちにとって
体育祭は楽しみすぎる行事なんだ。
「…お…はよう?」
時刻は7時半。
女子は早く来いと言われたため、
この時間に学校へ来たあたしは
教室に入った途端
目が点になった。
「あ、えりかちゃん来た〜!」
だって、女の子達みんな
…誰??
って、本気で一瞬思うほど
化粧がほどこされていたから。
しかも…
「…もしかして、これが衣装?」
彼女達はみんな
黒地に銀のドクロ柄のTシャツを来て
迷彩柄の七分丈のズボンを
右足だけ膝上までまくっている。
そしてワックスやらコテやらで
髪の毛はクルクルで…
こんなド派手な衣装にしただなんて
聞いてないよ!!!