顔をあげた先生は
すごく悲しい笑顔を浮かべてて
「でもだからって
俺があんな態度取っちゃだめだよな
本当に、ごめん」
謝罪とともに、深く深くあたまを下げた。
「もういいよ…」
あたしの言葉に
先生は え？ っと小さな声をもらして顔をあげた。
もう、いい。
だって、これからまた
あたしに笑ってくれるんでしょう？
これからまた
”なっちゃん”って呼んでくれるんでしょう？
ならあたしは
何もいらない。
先生が居てくれるなら
それだけでいいから
だから
「だから…
もう離れないで…っ」
あたしの悲痛な叫びに
先生は大きく目を見開いた。
それから、ふっと笑って
「ずっと側にいる」
くしゃっと、あたしの髪を撫でてくれた。
