櫻井先生のおかげで
職員室を出る時にはすっかり元気になれた。
もともと行事を頑張るのが主義のあたし。
さっきまでは憂鬱だった大量のたすき作りも
今じゃやりたくて仕方ない。
あたしは職員室を飛び出すと
階段を駆け上がって被服室へと入った。
「ふ〜っ…」
あれから、4時間はたっただろうか。
一度集中しだすと止まらないあたしは
いっきに作業を進めて
半分の作業が終えたところで一息ついた。
ふと、壁にかかる時計に目をやれば
1時を回っている。
…お腹すいた…
そう思った途端ぐぅう とお腹が音を立てた、その時。
それに反応するように、あたししかいないはずの部屋の何処かから
クスクスと笑い声が聞こえて
驚き、勢いよく声のする方を見れば
そこには、
扉にもたれながらあたしを見て微笑む
高田先生がいたんだ。