私は今日、休職届けを出した。
新卒の時期に頑張りすぎたことでうつ病を発症することはよくあることなのだ、と励ましてくれた人もいた。
けれど、私が励まして欲しかった人はその人ではなかった。
ここに来てしまったのは無意識だった。
気がついたらいた。
扉を開けていた。
そして見ていた。
見てしまった。
彼の1年ぶりの笑顔を。
綺麗な女性との二人きりの姿を。
ああ、お似合いだ、と思った。
「立て直さなきゃいけない」と、紫陽花の色のような蒼白な顔色をしていた社長は、もういなかった。
もう、立っているのも辛い。
倒れそう。
「雨音!」
後ろからぐいっと引き寄せられる。
あの日以来、こっそり使っている柔軟剤の香りがした。
「雨音!どうしたんだ!?」
「社長……?なんで……」
「とにかく、僕の家に。話はそれからだ」
新卒の時期に頑張りすぎたことでうつ病を発症することはよくあることなのだ、と励ましてくれた人もいた。
けれど、私が励まして欲しかった人はその人ではなかった。
ここに来てしまったのは無意識だった。
気がついたらいた。
扉を開けていた。
そして見ていた。
見てしまった。
彼の1年ぶりの笑顔を。
綺麗な女性との二人きりの姿を。
ああ、お似合いだ、と思った。
「立て直さなきゃいけない」と、紫陽花の色のような蒼白な顔色をしていた社長は、もういなかった。
もう、立っているのも辛い。
倒れそう。
「雨音!」
後ろからぐいっと引き寄せられる。
あの日以来、こっそり使っている柔軟剤の香りがした。
「雨音!どうしたんだ!?」
「社長……?なんで……」
「とにかく、僕の家に。話はそれからだ」