意識してないなんて言ったら嘘になるけど。
あえて平然と偽った。



心配して駆けつけてくれたのか、左和季君は汗を掻いていて
不安にさせてしまったことに申し訳なさを感じお風呂へ直行させた。


まさかまたお父さんのスウェットを着せる日がくるなんて。



お風呂から上がった左和季君と交代で、私も湯船に浸かったけど
緊張して100も数えないうちにすぐに出てしまう。



ふたりとも食欲がなくて、ご飯は簡単なもので済ませた。



それから他愛もない会話で夜を奥へと進ませ、寝る時間がやってくる。



ベッドだけのこの部屋で布団なんてものは無いから、私は床で寝ようと左和季君にベッドを譲るけど。

「俺が下だ」と折れないため、私はいつもの枕に頭を沈める。