コンビニの前で思い悩んでいると、通行人にチラチラと不思議がるように見られていることに気づいて、とにかく足を動かした。
今日ぐらいひとりで帰っても、別に大丈夫だよね……?
確かに暴走族に狙われてるなんて、その界隈の人間じゃない私にとって非現実的なこと、最初は信じられないついでに恐怖心だって多少はあった。
けど、左和季君が目を離さないでいてくれていたおかげで
だいぶ心も落ち着いたし
ひとりにならない私を見て
もしかしたら瞑静の人達も諦めがついたかもしれない。
とりあえず左和季君には『忙しそうだし、今日はひとりで帰るね』とメッセージを送る。
夜道は、電柱に共架されている防犯灯のおかげで周りが見えるから、少しだけホッとしてしまう反面、早く帰らなきゃと早足になってしまう。
左和季君と出会う前はいつも自転車だったから、謎の安心感はあったけど。
いざひとりで、しかもこんな状況だからこそ自分が女の子であることを自覚してしまうあまり
夜の徒歩ほど怖いものはない。
はっ、早く家に着いてほしい。
そんな思いで、スタスタ足を進めていると。
前からバイクがやってきた。
私には関係ないから真っ正面だけ向いていると。
横を通りすぎるはずのバイクは、私の横に停まる。