平日も休日も変わらない来店の多さ。
コンビニに足を運ぶお客さんをレジでさばいて、いつも通りの忙しさのおかげで左和季君達のこと考えずに済んで少しだけ心が落ち着いた。



「お疲れ様でした」



店長に「今日はもう上がっていいよ」と言われて、そそくさとコンビニを後にする。



バイト終わりは帰り道が暗いからと、最近は左和季君が迎えに来てたけど。


今日は駐車場にバイクが停められてるわけでもないし、本人の姿すら見えない。



「……最近忙しそうだしな~」



いくら左和季君の……蛇狼だっけ?

族同士の揉め事に巻き込まれてるからといって、毎回私を監視するほど蛇狼の敵対してるチーム、瞑静が暇だとは思えない。



だって左和季くんが胸ぐらを掴んでいたあの日以来、あの男の人の姿見てないわけだし。




いくら私が左和季君と知り合いだからって
私みたいな不良とは無縁そうな女を相手にするほど、不良も暇じゃないと思うんだけど……。



それに何より、最近の左和季君忙しそうだし
なんか変だよ。


送り迎えはしてくれるけど、あんまり喋ってはくれなくなった。


なんでだろう……?


私知らないうちに左和季君を怒らせたかな?


でも心当たりがない。



怒らせたつもり……ないはず……なんだけどなぁ。