「ところでさ、あんたと左和季って実際どうなの?付き合ってるわけ?」



「……っ!?」



慣れてきたからといって沈黙が辛いことには変わりないから、誤魔化す様にペットボトルを手に取り口をつけると。



水を口に含もうとした瞬間、美喜矢さんに訳の分からないことを言われ、飲み口に歯を軽くぶつけてしまう。



「……っ、なっ、急になんでそんなこと聞くんですか」


「はあ?普通に気になったから聞いただけ。
 まさか体だけの関係とか?」


「……っ!?ありえないです!!」


「だよねー、あんた遊んでる様な女には見えないし。
 それじゃあ何?どうして左和季があんたみたいな平凡女にこんなにも執着してるわけ?」



「しゅー……ちゃく?」



左和季君が?


私に??



……いやいやないでしょ。


単純に族同士の揉め事に巻き込まれた私を庇ってるだけであって。


そ、そりゃあだいぶ構われてはいるけど
執着はされてないと思う。



左和季君ってすっごく気まぐれそうだし。



単純に私に対して助けてくれた恩があるだけだと思うけど。