翌朝。


珍しく鳴った電話の音で目を覚ます。

ベッドから出ずに身を縮ませながら、眠気眼のまま電話に出たのが大間違い。



「んー……はい?」

『まだ寝てたのか?おそよう、ってやつだな。』


「……おそよう?」


『電話越しに俺の耳元で可愛い声出しやがって。』


「………え?」



目を擦り、携帯画面を見る。



画面には『左和季君』と表示されていて、思わず二度見した時には、もう完全に目が覚めていた。




「さ、左和季くん!?ごめん、私無意識で電話とっちゃって……」


『あぁ、分かってる。
 そんなことより、今日暇か?』


「え、えーっと……たまの休みなんだから、のんびりしようと」


『女子高生がサラリーマンみたいな事言ってんな。
 今から迎えいくから準備して待ってろ』



「んんん!?今から来るって……なんで!?いくらなんでも急すぎじゃ……」



『じゃあな』



「ちょっと左和季君聞いてるのって……切られた」