顔に熱がこもりすぎて、涙目になった視界は歪む。


そんな私の顔をジッと見つめた左和季君は、どうしてか一歩後ろに下がって離れはじめる。


「まあ、今回もお前の言うこと聞いてやる」


「……だからなんでそんなに上からなの」


「……?俺だから?」


なんとなくしっくりはくるけど
答えになってる様でなってない。


左和季君じゃなかったら許されてない様な気がする、その発言。



「これ以上すれ違わねーように、小羽携帯出せ。
 連絡先」


「……悪用したりしない?」


「……」


「いや、なんでそこ黙るの!」


「冗談だろ」



口角を上げる左和季君は、さっきから私をからかってばかりだ。


連絡先を交換すると、左和季君は携帯の画面を数秒間見つめ、ポケットにしまう。



「俺から来た電話はワンコールで取れよ」


「無茶すぎる……」


「今日のところは大人しく帰ってやるから、さっさと部屋戻れ。
 それと、夜道はあんま街灯がない場所通るなよ」


「う、うん」


「じゃあな。」